この街を抜け出したい!少年少女の変態成り上がりストーリー。
押見修造「惡の華」レビュー ネタバレアリです。
あらすじ
クラスでは目立たない存在の春日高男(かすがたかお)は小説を沢山読む事だけが自尊心を満たす方法の中学生。同級生達の知らないボードレールこそ自分を癒してくれる。
そんな暗い青春を送っていた春日はひょんなことからずっと憧れていたクラスメイトの佐伯さんの体操着を盗んでしまう。
小心者の春日に返すすべは無い。当然学校では紛失騒ぎが起こっていて、春日は苦悩する。
悶々としながら下校する春日に声をかける女性がいた。女性は同級生の仲村佐和(なかむらさわ)だった。彼女はテストを白紙で提出し、それをとがめた教師を罵倒するというクラスでは浮いた存在だ。そんな彼女がなぜ近づいてきたかというと体操着の件を目撃したという。クラスにばらさない代わりに仲村は春日にある契約をせがむ。
契約とは「大事なものを私に奪われる」というもの。
仲村に振り回されつつも憧れの佐伯とデートする約束を取り付けた春日だったがその告白シーンをまたも仲村に見られる。嫉妬されると思った春日の予想を超え、彼女はデートに盗んだ体操着を来ていけと言うのだ。
私ね、体の中の方がモヤモヤするの
仲村の衝動に次第に支配されていく春日は佐伯に別れを告げるが・・・
感想
思春期の視野の狭い中学生達が肥大化した自意識と、”なにものでもないなにか”になろうとしての苦しみに足掻きまくる話。かつての中学生達は身もだえしたくなるようなムズムズする物語。
そこから仲村の支配をうけて変っていく春日。待ち受けるものは破滅なのか幸福なのかはまだ分からない。ただ分かる事は仲村さんの衝動的な行動に、登場人物たちは巻き込まれぶつかっていくにつれて感情が開放されている事だ。常識や倫理なんてくそ食らえだ。仲村さんを中心にした変形三角関係がどう転り、3人がどう変化していくかが今後の見所。
観賞方法としてはただひたすら春日くんの視点で仲村さんのどS っぷりを楽しむに尽きる。直接的じゃないエロス。ある意味正統な青春ものなのか。感情の衝突。
仲村の慟哭「どいつもこいつも腹の中じゃ!」
佐伯に真相を告げる仲村
春日を信じようとする佐伯
春日も”あの山の向こう”に連れて行ってくれなかった。失望に涙を浮かべる仲村。
クズクズ言われて佐伯から次第に仲村に惹かれて行く春日。
「泥ッ!!」とか「じぶんのうっとり撫でまわしてろ!!!」など名言率高い。
我々の業界では
ご褒美です
仲村の虜になっていく・・・
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軽くイッてますね。
それでも春日を諦めきれない佐伯は二人に巻き込まれていく・・・
ついに佐伯は捨て身の行動に・・・続きは5巻で
惡の華6巻の予約が始まりました。
惡の華(6) (講談社コミックス)
発売は6月初旬とのこと
押見修造 既刊5巻
マンガ大賞2012 ノミネート作品
惡の華5巻
1-4巻
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