女の穴
自称宇宙人の女子高生鈴木と担任教師の話。
何につけてもさめたような鈴木はある日教師に対して「子供を作ってくれませんか。」と告げる。
それを結果受け入れた教師だったが、そこで感じたものは「穴」だった。
異性に対する理解の及ばない闇部分を「穴」という言葉でうまく表現した作品。
私もいくつになっても女性に「そうじゃなくて」といわれます・・
作者か編集は「わたしのせんせい」を読んでるんだろうな。
異性への妄想じみた猜疑心はミスチルの「ファスナー」にも似てる。
女の頭
早くに両親を失った仲の良い兄妹が主人公。2人が大人になるにしたがって、兄にはガールフレンドができ距離感が生まれつつあり、妹は兄に対する想いが募っていく。ある日突然の事故によって兄は死に、妹の願いは兄が妹の後頭部に人面瘡になって残るという形で叶う。
子供の頃の距離感が変化することを拒むかのような、進まない物語。甘く切なく終わりの無いモラトリアムの世界を楽しむ作品。
個人的には兄の心情をもっと掘り下げて欲しかった。妹の望みが叶うのが急激に感じる。(生前:彼女とイチャイチャ→死後:妹ラブ)兄は本当にこれでよかったの?最初から妹のオナ二一だとしてもいつから兄がいなくなってしまったのかが描写されてないしなー。
女の豚・女の鬼
教え子の男子高校生 取手君に片思いする国語教師村田克己(52歳・ゲイ)。
村田はかなえられない恋を人気のいない教室で取手君の机にぶつけていた(性的に)。それを女子高生 萩本小鳩に見られ、村田は彼女の「豚」になった。実は彼女は田村に対して特別な感情を抱いていたのだった。また萩本もかなえられない恋を抱え、村田に嗜虐という歪んだ形でぶつけていく。
いい表情・・・ 私は豚に。 「今すぐそこで日課をしろクソブタ」
当然村田はそんな萩本の気持ちは知らないので、恫喝に対する拒絶をし、萩本は抑えられない恋心をさらに加速させる。
若い人の恋のエネルギーをSMに置き換えて表現している。
萩本さんの表情が四転するのがしっかり書き分けられていて技術があるのがわかる。
オチのつけ方がさっぱりしていて素敵だ。
女子高生にいじめられる52歳というシチュエーションはちょっと読者層を狙っているのかあざとさを感じるつくりではあるものの、展開の読めない物語にページをめくる手が止まらない面白い。おっさんホイホイ。
全体を通して恋の熱量を感じる作品群。女性視点の重さがキツ過ぎずに心地いい。
でも作者はPixivに上げてる様な伝奇的な作品が作りたいんじゃないだろうか?
自作に期待したい作者。
ふみふみこ
Pixiv
HP:
ふみふみこ ふんだりけったり