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グラビティデイズ

新作「GRAVITY DAZE」を始め、「SIRENT HILL」「SIREN」のディレクター外山圭一郎氏インタビューまとめ。

“ホラーの旗手から重力アクションへ” 
外山氏のグラビティデイズが好評を博している。(参考amazon評価4.7/5.0 ファミ通38点 PSstore4.9)
かつてはバイオハザードなどと並びホラーゲームのトップを走っていた外山氏。そこからグラビティデイズはどうして作られたのか?インタビューから外山氏の作品作りや考えをまとめた。

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<グラビティデイズはこうして作られた>
・開発の経緯
・ゲームシステムの由来
・アートコミックを意識したビジュアルとゲームの融合
・街が紡ぎだすストーリー
・浮遊感の秘密

・主人公が女の子の理由
・サブタイトルの由来


・開発の経緯

「学生のころから、ゲームを作るんだったらこういうのを作りたい、と思っていたものがありました。(中略)(gravity dazeの)世界観はフレンチコミックとかの影響を受けていて、メビウス*1の作品の中の人が浮いているイメージに、イマジネーションが刺激される部分があって、メビウスの世界観のようなゲームを作ってみたい、とずっと思っていたんです。」 PSVitaコミュニティ インタビュー

*1メビウス:フランスの漫画家ジャン・ジローのペンネーム。(1938-2012)世界の漫画界の始祖的な存在。日本では大友克洋や浦沢直樹などのフォロワーが多く宮崎駿とも親交がある。ちなみに娘の名前はナウシカ。
moebius メビウス moebius メビウス moebius メビウス
▲メビウスの作品
  残念なことに先日ジャンジロー氏は亡くなられました。漫画界の巨星メビウス(Jean Giraud氏)死去

・ゲームシステムの由来

「重力をテーマにするというのは、(中略)もともと僕の中にあったイメージで、人が宙に浮いているっていう状況があって、じゃあ、どうすればその浮いているシチュエーションを成立させられるゲームデザインになるかな? というところから始まって……
僕らSCEのスタッフは、まっすぐな国道246号線沿いの複数のビルを歩いて行き来することが多かったんですが、夏場はそれがけっこうダルいんですよ。通りがまっすぐだから目的地は見通せるんだけど、すぐには着けないっていうのがもどかしくて。あるとき、“もっと急坂になってずるずる滑って行けたら早いかな…いやいっそあの大きなビルを自分の真下にくるっと回転させられたら、ストンと一気に落ちて行けてラクだな。でも落下するだけだと死んじゃうなあ”などと考えたことがあって(笑)。そこから“死なないためには一度向こうを下にして、衝突する直前に、今度はまったく逆にひっくり返せば減速して止まれる、それを2回繰り返したら着地できるな……”と。
そういうめんどくさい時の妄想が、ゲームデザインの原型になっていますね。それからしばらくは、街のビルを眺めて、こう重力変化させればてっぺんまで行き着けるかな?とか考えるのが楽しかったです」

「僕は写真が趣味なんですが、きちんと水平ですと物足りなくなって、地平線とか水平線が傾いたり、あえてゆがんでいる構図で撮ることが多いんです。ゆがみのある構図ならではの広がりや奥行きを感じさせる効果みたいなものが面白くて。『GRAVITY DAZE』にもその感覚は持ち込んでいて、最初のプレゼン資料でも、普通の町の写真を縦にして、そこに人が立っているイメージを使ったりしています」 PSVitaコミュニティ インタビュー

SCE付近の通勤風景
▲246号線沿いの風景。左手のビルが当時のSCE拠点。
外山圭一郎氏の写真

▲外山氏撮影の「傾いた構図」の写真

・アートコミックを意識したビジュアルとゲームの融合

「(ビジュアル制作は)チーム内の社内スタッフです。『SIREN』チームでアートコミックの方向性が好きなスタッフがいたので、彼らの協力を得られればできるな、と思っていました。(中略)チーム内からすごくいいものができてきたので、内部だけでいける確信が得られました。今回は、見た目だけじゃない部分も一生懸命頑張っていこうという思いがあって、例えば、衝突したときに壊れるようなものは、システムの内部構造を知り尽くしていないとデザインに織り込みにくいんですよ。そこではどうしても細かいやりとりが発生しますし、そういう意味でも、ゲームを実際に作っているスタッフがデザインすることにメリットがあるんです」 PSVitaコミュニティ インタビュー

・街が紡ぎだすストーリー

「(物語は社内で作成)です。『SIREN』チームはもともと、ストーリーまわりや世界観設定を作りこんでいくということに強いので。『GRAVITY DAZE』と『SIREN』では、最終的な見た目は本当に別物にしか見えないんですが、作り方はあまり変わっていません。僕の作品って、昔からわりと町や村にフォーカスを当てるというか、この町にはなにがあって、どう成り立って……みたいな部分を作りこんでいくところがあるんですね。まずは世界観の上で、どういった成り立ちがあればこういう見た目になるか、といったディスカッションをおこなう感じで。そういった部分はこれまでとは変わっていなくて、特に戸惑いはなかったですね。」 PSVitaコミュニティ インタビュー

グラビティデイズの景色


・浮遊感の秘密

端的に説明できる「浮遊感の秘密」のようなものは,とくにないんですよね(笑)。
ただ重力という基本ルールからちょっとだけ離れたゲームデザインが,独特の浮遊感を生んでいるのかもしれません。
(地面が不定なことに対して)プレイヤーに意識改革みたいなものが起きてから,ようやく本領発揮するタイトルかもしれません。

開発初期は,その方向性(パズル要素重視)で進むことを考えていたんですけど,開発メンバーの意見を聞くと,理詰めの謎解きよりも,感覚的な浮遊感やスピード感みたいな部分に評価が集まって,結果的に“気持ちよさ”に振り切る形で開発を進めることになりました。

重力操作という要素は目新しいかもしれませんが,ゲームの流れの中で,比較的オーソドックスな楽しみが味わえるように設計しています。 4Gamer.net インタビュー

浮遊感と気持ちよさ


・主人公が女の子の理由

構想段階から思い描いていました。格好良く重力を操るスーパーヒーローものではなく,重力に翻弄され,じたばたもがく主人公を考えていたので,おっさんだと見苦しくて(笑)。
それと,失敗をコミカルに見せたいという考えもありました。プレイの失敗で格好悪くなってしまうと遊んでいて気分悪いので,かわいくコミカルに見えるように,男の子ではなく女の子になりました。 4Gamer.net インタビュー

・サブタイトルの由来

スタンリー・キューブリック監督*2の「博士の異常な愛情 または私は如何にして心配するのを止めて水爆を愛するようになったか」を参考にしました。 4Gamer.net インタビュー

*2スタンリー・キューブリック:アメリカの映画監督(1928-1999)「2001年宇宙の旅」「機械じかけのオレンジ」「フルメタルジャケット」「ロリータ」などを撮った巨匠。Wiki


勤務中に移動の妄想をする行為は、以前紹介したカプコン中西晃史氏の電車忍者に通じるものがありますね。
日々の発想からこうして作品が作られている事がわかります。
また、発想は斬新だけど根本のゲームの”楽しさ”を失わない姿勢が、ユーザーに受け入れられる原因になっています。
これはどんな商品開発に於いても基本かつ絶対必要な点でもあります。

外山氏の作風が、鬼畜な難易度のSIRENから、“爽快感”や“浮遊感”を前面に押し出したGRAVITY DZAZEにシフトしていることも分かりますね。

しかし難易度は下げつつも街から物語を構築するなどその作家性の強さは失われていないようです。
各章のタイトルから元ネタの映画を探したりするのも楽しい。

長くなってしまったので過去編は後編として後日追記します。

GRAVITY DAZE 攻略WIKI


GRAVITY DAZE/重力的眩暈:上層への帰還において、彼女の内宇宙に生じた摂動
 SCEJ
 アクション
 パッケージ版 5980円
 ダウンロード版 4900円
 2012年2月9日発売


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