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セックス! ドラッグ! バイオレンス!
かつて楳図かずお邸をして「色彩の暴力」と表現した方がいたが、松本次郎の作品は色彩の爆発とでも言うべきか。美大出の作家らしくタッチの多い線で美しい描写なのだが、登場人物たちは”癖のある”どころでは無いぶっ飛んだキャラしかいない。作者は本物の狂人なのかと思わせる作劇を行う。
インパクトが強すぎて沢山はいらないけどたまに欲しくなるような、二郎のラーメンみたいな作家。中学生が憧れる伝説のテロリストみたいな存在。現代のエログロリーダー。
本作も概要のみではインパクトは伝わらないために解説はなるべく省くので実際読んでみて欲しい。
作者のブログもいってて怖い。松本次郎ホームページ
わたしのお父さん
家族からの軽視を乗り越えるのお父さんの悲哀を、娘の作文を通して描いた作品。この後姿は悲しすぎる。おっさんのストレスの開放方法が圧巻。
カミーラ
南米の街に住む少女・カミーラ。彼女は精神病院を手伝っているのだが、一人の患者が毎日書いている「あなたへ」という手紙に興味を持ってしまい、ついには読んでしまう。次第に手紙に魅入られていく様が妙にリアルだ。
遠くの方
舞台は幕末の江戸。書生の正三郎は日本の未来を見据えるべく主・藤堂の連絡役を引き受ける。憧れの花ちゃんのためにも正三郎は遠くを見ることが出来るのか。
パーラー31
武装女子高生の登場するデストピア的世界。高校ごとに縄張りを持ち争っているみたい。作者は連載したいそうでこの短編は詰め込みすぎたのか消化不良な話。オチが弱い。
砂漠のフェーデ
砂漠の塔を守る少年ツルギー。彼を見守る美しい少年アニマ。ツルギーは担任のドラン先生に惹かれており、それ故にいたずらをして嫌われている。少年達の秘められた恋を描く。
女子高兵
女子高生の形そのままのロボットに乗って戦う兵士の話。女子高生ロボは搭乗者の精神も女子高生化してしまうようで・・・次第に主人公達は蝕まれていく。
単に作者が女子高生に銃器を持たせたかったんだろうな。ある意味パーラー31と同じコンセプト。
ファミレス
ウェイトレスの狂言。「ポカリを飲もうと思ったらアクエリアスだった。」の反復が狂気に満ちていて凄い。ケータイコミックという事で、ページを8コマで均等に割られている実験的なレイアウトの作品。
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