フォトリアルに寄せれば寄せるほど訪れる「違和感」はすでに越える段階へ
おなじみSCEWWS吉田修平氏のインタビューが公開
もうすでにゲーム表現は他メディアのCG表現同様に「不気味の谷」に差し掛かっているとしている。
吉田: 開発が難航した話をしましたが、グラフィックの面での苦労もPlayStation 3は経験しました。『The Last of Us』や『アンチャーテッド』もそうですけど、映画や小説を読んだ後の感じがゲームを通じて得られるようになっていて、
キャラクターが何も言わなくとも表情で感情が伝わってくるところまでかなり近づいてきているなと感じています。専門用語で「不気味の谷現象」といいますけど、コンピュータのキャラクターが人間に似ているけどちょっと違う違和感があるから「よりヘンに見える」という課題ですね。映画は、もう何年も前にお金をかけてレンダリングをして、どこがデジタルかリアルかわからないところにありますけど、ゲームがそこまでいくのはまだ時間がかかります。
とはいえ、トップクリエイターの作品というのは、もうそこまで来ているんですよね。去年のE3で見せた
Quantic Dreamsの「The Dark Sorcerer」という技術デモがそうです。撮影なのかデジタルなのかよくわからないですよね。あえてコメディに挑戦したのも、一番ニュアンスを伝えるのが難しいジャンルだからとのことですが、成功している。ハードの性能もそうですけど、ソフトウェアの技術があそこまで行かなくて苦しんだ時代を経て、
目指す表現ができるところまで来たなと実感する出来事でした。PlayStation 4が発売した後も、デベロッパーがよりハードに慣れてくる頃が来ます。3年後のノーティドッグの作品というのは、もうワクワクしてきませんか。
http://www.inside-games.jp/article/2014/02/21/74572.html
他にも興味深い発言が多く一読をお勧めします。
以下、概要
・「ラストオブアス」の開発ノーティドッグは現在200名ほど
・(吉田氏は)開発中のタイトルを見るために月に1度は海外スタジオを訪問
・特殊なPS3のアーキテクチャーにサードのソフト開発が遅れたこともあった
・海外でカメラを使った顔出し放送が受けていて、日本でもカメラ付き本体の予約数が多い
リアルを追求した表現もソフトとハードの成熟でより旺盛になっていくことでしょう。
日本はデフォルメされたキャラクターを好む傾向があるので欧米の嗜好とはまた異なる発展をしていきそう。
日本でGTAを始め洋ゲーが浸透していたように、日本的な2.5次元的表現を広めることは出来るのか。
「The Dark Sorcerer」