小原愼司の菫画報(すみれがほう)レビュー
二十面相の娘で知っている方もいらっしゃるでしょう作者の二作目の作品。
高校の新聞部に所属する星之スミレと部員達の「日常」を描く学園コメディー。
基本的にはサブカル的な会話とぬるい高校生活の描写を楽しむ作品。
主人公スミレの破天荒な行動に同級生琴子がツッコミを入れていく
会話の妙が素晴らしい。
4巻29話「ロボットノート」より スミレが子供達に折紙をつくるシーン
また高校生らしい未知に対する「妄想による世界の補完」がそのまま
SFや時代劇はたまた中世ファンタジーに飛躍し物語になっている回も。
2巻8話「土星からきました」より スミレ粉コーヒーを見て妄想にふける
このあたりは石黒正数やつばな等への影響が見られる。
初期作品と言う事で絵柄がやや不安定ではあるが
ノリが合えば楽しい作品である。
上小路鉱二(うえのこうじこうじ)とか「ペンはコンクリにも強し」とか。
惜しむらくは2011年現在では新品での入手は困難であること。
小原
愼司に興味がわいた方は最初に読んで欲しい作品。
全4巻