「取り戻すさ、城も家臣も玉座も国も」侍女フルゥの奮闘
鈴木健也(すずきけんや)の初連載作「蝋燭姫」(ろうそくひめ)1巻感想
ネタバレあり
あらすじ
後継争いに敗れた
王女スクワは、継母である王妃から修道院に追放させられる。姫に付き従う事を許された侍従は黒人侍女ただ一人。そんな姫を敬愛してやまない
侍女フルゥが主人公。
不器用なフルゥは姫を思うあまり修道女たちと衝突し、トラブルを起こすが・・・
感想
ドジッ娘剣士のフルゥが、大好きな姫のために転んだり泣いたりするマンガ。ヒヤヒヤするような彼女の行動と、修道院に馴染もうとしながらも王族として誇りを失わない姫との対比が面白い。
1巻で描写は無いが、黒人のフルゥが侍女になれたのはきっと姫の働きがあったんだろうことを想像させる深い2人の信頼関係。義経と弁慶のような。
修道院のメンツは曲者ぞろいで尼さんというより学園コメディのノリでドタバタも楽しい。
後半部分ではスクワ姫を利用するために野盗が修道院を襲うのだが、謎の騎士団の登場と、フルゥが姫を守れるのか?という引きで終わっていて、続刊が気になる一品。
度々投げかけられる
「お前の祈りや涙で何が変るのか?」という問いかけがフルゥを苦悩させる。彼女の無力さと姫への思いが混濁した表情がいい。
意外に正統派な作りで読める作品。背景の書き込みが凄い。
主人公フルゥ 初期のキメ顔
姫のためにキジを捕ろうとして・・・ 姫を修道院から出そうとして・・・
フルゥが敬愛するスクワ姫(ワックスの逆読み)表情は少ないが威厳のある描き方がされる。
修道女マロノー(のろま)いい奴。 同じくヤージェンカ 謎の美女