ソニーがクラウドゲーミング開始の噂を英ゲームサイトVG247が報じています。真実であればE3の大きなサプライズになることでしょう。

※クラウドゲーミングとは
従来ゲーム機での処理を外部サーバーでおこない、映像としてインターネット経由で再生する仕組み。
コントローラーの入力もネット経由でサーバーに送る。
大雑把に言えばyoutubeなどの動画が再生できる機体（PCやスマホ、TVなど）であればハイエンドPCゲームができる可能性も。

UKゲームサイトVG247の編集長Patrick Garratt氏が独自に入手した情報によると、E3 2012のプレスカンファレンスで、ソニーがGaikaiやOnLiveなどの大手クラウドゲーミングサービスとの提携を発表するそうです。
詳しい情報は一切分かっていませんが、この提携により、PlayStationのハードウェアでゲームのストリーミングプレイが可能になるとのこと。

この他にも同編集長のE3発表予想では、ソニーが少なくとも2つのコアタイトルをPS Vita向けに発表するはずと報告。

Game*Spark （VG247の元記事）

以前、次世代ハードを出さないメーカーがあるというGaikaiのNanea Reeves氏の発言が取り上げられたことがありますが、上の噂が本当ならソニーとGaikaiの提携の噂にも真実味を帯びてきます。

One of Console Makers Will Pull Out from Hardware Business - Gaikai.
コンソールメーカーの一つは、ハードウェアビジネスから撤退します - Gaikai
xbitlabs

発端の情報源が「VG占い」とか揶揄されてるVG247なのであくまで噂として捉えて欲しいが、
クラウド化が進めば、ゲームを取り巻く環境が劇的に変化することは確実で様々な新しい可能性が考えられる。

とりの予想
短期的には
●下位互換のないハードでも旧作がプレイ可能に
　たとえばPS2互換で苦しんだPS3でPS2ソフトをプレイや、PSVitaで同様のことが可能になる。
●すべてのソフトの体験版が可能に
　「体験版」というパッケージを作らずにプレイ回数や時間で区切ることも安易に。
●PSN（SEN）のラインナップが充実
　機体の制約がなくなり、新規参入や移植・旧作のソフトが増加

中長期的には
●ソフト購入の概念が変化
　Gaikaiは基本無料でメーカーによって様々な課金方法を採用している。それに従えば、従来のパッケージで購入のほかに、時間による従量制（月・日・時間単位やプレイ回数）、基本無料のアイテム課金などがありうる。
●専用ハードの消滅と変容
　機体スペックに依存しないので様々な端末（PC・携帯・TVなど）でプレイが可能に
　従って「次世代」「他ハード」がなくなり、PS3の役割を変える使い方が提案される
●ソフト品質の多様化
　参入障壁の低さから開発費の安いライトな作品や、機体に依存しないゲームの仕組みからユーザーの増加によってより資金を投入した作品が出現する。
さらにソフトのディスク製造からも開放されるので旧作が見直されやすい環境に。

以上のようなメリットが想像できるが、デメリットも様々で、まず回線のインフラが徹底されなければクラウドの恩恵を受けられるのは限られた地域のみになってしまう。
また帯域の圧迫もあり、現在の環境では普及することは困難だ。サーバー設置の膨大な資金も必要だ。

参考）
総務省は「光の道」構想に基づき、2010年現在の35%であるFTTH世帯普及率を2015年頃をめどに100%まで上げることを目指している
http://ja.wikipedia.org/wiki/FTTH#.E6.99.AE.E5.8F.8A.E5.BA.A6

2007年版 県別 世帯ブロードバンド普及率　日本地図
http://ec2.images-amazon.com/images/I/51kXkamvOCL._SL500_AA300_.jpg

またなにより問題なのは、全PSPソフトのUMDパスが用意できていないソニーに、この大規模な権利提供サービスの胴元になれるのかだろう。
とりあえずはPSN+のサービス拡充などからなんだろうが、ソニーならではのメリットがなければ離れていきそうにも見える。


かつて久多良木氏が夢見た新しいユビキタスな未来が近づいている。
E3のサプライズにざわめく今も前夜祭として楽しみたい。


Gaikai  http://www.gaikai.com/
OnLive  http://www.onlive.com/



OnLiveを日本でプレイ：Kotaku JAPAN

サーバーが海外にあるためラグがあります。参考まで

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