ヴァルハラゲーム代表 板垣伴信氏のゲームと人生、挫折と再起。
DICEサミットにて自身の決意を語る。
Team NINJAで「DEAD OR ALIVE」「NINJA GAIDEN」を制作した板垣氏の講演が静かな熱意に満ちている。
「What We Talk About When We Talk About Game」
(ゲームについて語る時に我々が語ること)
内容は、学生時代に影響を受けたレイモンドカーヴァー*1やギャンブルに始まり、テクモ在籍時のDEAD OR ALIVE2制作時に感じた挫折や社内の摩擦。
失望して4ヶ月家に閉じこもり飲酒し続けていた事、その時家族や映画アルマゲドンから心を動かされ再起への転換に至るまでの道のりが淡々と語られている。
▲失意のとき何度も繰り返し見たという映画「アルマゲドン」
「オーディエンスの人生をかえるようなものをつくりましょう。ビデオゲームにはその力があることを信じています。」
氏は講演の締めくくりにこう伝えた。
テクモ在籍時に実現が要求されていたハッピーフォーシステム(happy four system:ユーザー・デペロッパー・パブリッシャー・ストックホルダーに満足してもらう事)から、その後自らがヴァルハラを立上げて株主になる事でハッピースリーシステムに略したこと、自身や家族、仲間達を救う事になった作品を自身の手でも届けたいと言う情熱が伝わる。
動画は以下から
「とても個人的なお話」:ヴァルハラ・板垣伴信さんが海外で行った講演が公開(動画あり)
現在ヴァルハラが制作しているDevil's Third(デビルズサード)*2は、北米の大手パブリッシャーTHQと組んでいるのだが、THQの業績悪化の報道*3もされている。
色々な状況を踏まえ開発者として社会人として父としての発言は非常に重みがある。
今後のデビルズサードの展開を期待したい。
ファンはぜひ見るべき動画だ。
*1 レイモンドカーヴァー (1938-1988):アメリカの短編小説家。日常の底流に潜む闇、孤独感を独特の表現とシンプルな文章で描く作家。カーヴァー自身もアル中や離婚など決して恵まれた環境にいない。
講演のタイトル「ゲームについて語る時に~」はカーヴァーの「愛について語るときに我々の語ること」から。
*2 「Devil's Third」(PlayStation 3 / Xbox 360)2013年発売予定のソフト
ヴァルハラゲームスタジオ
Devil’s Third インタビュー ~ 板垣氏が語るリアリズム
*3 THQ 「Metro: Last Light」「Darksiders II」「South Park: The Game」「UFC Undisputed 2012」などのタイトルが発売を予定されている北米大手販売。ソフトよりも「uDraw Gaming Tablet」などの周辺機器の戦略でつまずいてしまった
危機に立たされた大手パブリッシャ,THQ
▲Darksiders II ▲uDraw Gaming Tablet
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板垣 伴信(いたがき とものぶ 1967年- )
代表作
DEAD OR ALIVE 1996年
DEAD OR ALIVE 2 1999年
DOA2 HARD・CORE 2000年
DEAD OR ALIVE 3 2002年
NINJA GAIDEN 2004年
DEAD OR ALIVE 4 2005年
NINJA GAIDEN 2 2008年
Devil's Third 2012年