「日本のゲームが2017年に復活 その経緯」と題するThe Vergeの記事。
日本のゲームが復活
・TGS 2009、稲船啓二氏は「日本のゲーム業界は終わった」と発言
・しかし17年のTGSが近づき、和ゲーが生きているだけではなくルネッサンスを迎えている別の側面も見えてくる
・それは昨年11月のFF15から始まり、バイオ7、DAZE2、P5、ニーア、龍0(海外では1月発売)、仁王、DIVA FT、そしてゼルダBotWに至る
・ニーアは150万本を販売、ペルソナ5も150万本出荷、ゼルダは米で本体を上回る92.5万本と驚異的販売。今E3ではモンハンWやマリオオデッセイなども日本から発表された
2009年から何が起こったのか
・日本のシリーズの期待を裏切ることなく西洋的なトレンドを取り入れている
・たとえば「バイオハザード7」は流行の主観視点に切り替えながらもゲーム自体はホラーとパズルの組み合わせ、アイテム管理などゲーム的なバイオの構造を残している
・「ゼルダの伝説BotW」は広大なフィールドになりつつ、西洋とは異なる自由な探索を実現。プレイを暴力に縛られず、数百のパズルを解き秘密を見つける風景にしている
・過去にも日本の作品は西洋の流行を取り入れようとしていたがそれはまるで衝突のようなものだった。「バイオ6」が好例だ
・「日本の開発がゲームで語りかけようとしたことが世界に届かなかった時期があった」とカプコン辻本良三氏。「世界市場を目指すゲームを作ることは何かを学ぶ必要があった」「グローバルななゲームファンの文法で話すことを学んでいる」
なぜ00年代半ばに日本は苦闘していたのか
・2つの説「携帯機→携帯電話の隆盛」「PS3の開発難度の高さ」がある
・しかし現在は、PS4/XB1は開発が容易になり、Switchは携帯と据置の境界があいまいだ
開発者の変化
・Lv5日野社長は「日本が世界の中心にいるとは考えていない」「同じステージでAAA作品と競争するのではなく、日本独自の作品に焦点を当てている」
・スクエニ東京RPGファクトリー橋本Dは「日本のゲームは昔から根本は変わっていない」「違うことがあるとすれば海外の聴衆を少しは分かっているということ」
・また制作規模の違いもある。アサクリやFAR CRYのUBIモントリオールは3000人の従業員がいる
・日本のフランチャイズにも変化が起こっていて、モンハンWは携帯機向けのシリーズをコンソールに移した。西洋のファンを追わずに成功した要素をより多くのユーザーに伝えるかを考えている
“昔ながら”を変えない日本の開発も
・一方で過去に成功した作品の作り直しもされている。元コナミ五十嵐氏の「Bloodstained:Night」はキックスターターで550万ドルも調達し、アクションスタイルの市場があるという証明をしている
・セガ名越氏は「西洋の作品作りをを全く考慮しない」「これは多分作品を特にユニークにしているかもしれない」としたにもかかわらず「YAKUZA 0」は1月のリリースで絶賛を浴びている
日本の復活は段階的にとらえる必要がある
・2017年上期はほんの一瞬の輝きなのかもしれない。プラットフォームの運命にも大きく依存するだろう。モバイルの魅力もあってより多くのリソースが投入されるのも困難だ。
・名越氏は(現在の成功の波は)「肯定的な受け入れが継続するのを見たいと思っている。しかし段階的に取り組む必要がある」
・日野社長は視聴ながら楽観も「日本のゲームにスポットライトが当たる時期があった。同じ程度ではないかもしれないがその時は再び来るでしょう。」
https://www.theverge.com/2017/6/30/15894404/japan-video-game-comeback-zelda-resident-evil-e3-2017
和ゲーの見直しや洗練はFCやPS1期のような爆発的発生の時が過ぎて淘汰が進んだ結果もあるかもしれません。
国内市場縮小や開発費高騰など依然として厳しい環境が続きそうですし、ゲームの激しい生存競争で何が勝ち残るのでしょうか。