日本製ゲームのガラパゴス化 DS大ヒットの皮肉な落とし穴 任天堂が昭和58年に「ファミリーコンピュータ」を発売以降、「ゲームといえば日本」が世界の常識だった。だが、
近年はゲーム機の高性能化による開発費高騰に日本のソフト会社がついて行けず、ソニー・コンピュータエンタテインメント(SCE)の次世代ゲーム機「プレイステーション(PS)4」は国内発売を延期する事態に陥った。だが、日本メーカーは携帯電話向けのソーシャルゲームに注力する状況が続いており、
日本メーカーの“ガラパゴス化”が深刻な状況となっている。
中略
実は、
ゲームの開発費は平成18年に現行のPS3が発売後、一気に高騰した。ハイビジョン(HD)画質対応になり、ゲームの品質が視覚表現などの点で大きく向上した反面、
従来1本当たり5千万~1億円程度だった開発費が10億円を超えることも珍しくなくなった。結果、相当数のヒットを出さなければ開発費の回収が難しくなり、メーカーは安定した売り上げが見込めるシリーズ作に注力。新規作品がより売れなくなる悪循環に陥った。
この状況下で、メーカーの「駆け込み寺」となったのが任天堂の携帯型ゲーム機「ニンテンドーDS」だ。DSは頭脳ゲーム「脳トレ」で、これまでゲームに無縁だった層の取り込みに成功していた。
DS向けなら1本5千万円程度の開発費ですむため、国内メーカーは相次ぎDS用のソフトを発売した。しかし、これが落とし穴だった。携帯型ゲーム機があまり売れず、据え置き型市場でPS3とMSの現行機「Xbox360」が激しくしのぎを削っていた欧米では、各メーカーが苦しみながらも技術を磨き、開発力を高めていた。
専門家は「DSが予想以上にヒットしたことが、日本メーカーの開発力を停滞させてしまった。皮肉なことだ」と分析する。そしてDSブーム終了後、日本メーカーの多くは携帯電話向けのソーシャルゲームにシフト。結果、技術力の差はさらに開き、欧米メーカーが売り上げ1千万本級のヒットを連発する一方、日本発のヒットタイトルは激減した。
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20131111-00000505-san-bus_all
DSだけに責任を押し付けるのは早計な気もいたしますが、現行世代は国産ゲームにとって様々な面で不幸な世代だったかもしれません。
開発が安易なDSに多くを求め過ぎたソフト開発会社、HD開発環境を早期に充実できなかったPS3、リアルな疑似体験を求める欧米のユーザーと比べシンプルでデフォルメされたキャラを好む日本ユーザーの嗜好の違いによる高解像度タイトルへの理解など多くの問題が浮き彫りになりました。
キャラクターの顔だけ白人で中身は従来の和ゲーが量産され、競争力を失っていくシーンも何度見たことでしょうか。
ハリウッド的な大作が闊歩する海外で国産ゲームがヒットする機会は減りましたが、可能性は残されているのでしょうか。
※記事のPS3は10億円超と指摘される開発費は大手の50万本以上の売り上げを見込むような大作の費用。中小規模のタイトルではここまで経費は掛かりません。
PS3/Vitaで発売の「ドラゴンズクラウン」は開発が「初の1億円超」と明言しています。
開発しやすく、インディーズタイトルの世界展開もサポートする次世代機の登場で変化に期待です。
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2014-02-22
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