東洋経済で小島監督の『コナミを辞めた小島秀夫が語るゲームの未来』と題するロングインタビューが公開。
コナミとの関係や独立しソニーとの提携を選んだ理由、またクリエイターを取り巻く環境の変化などを語っています。
以下概要
--なぜ独立系で起業したか
・自分の好きなことをしたかったがインディーズにこだわったわけではない
・求められていることの実現が現在の形態を選択した理由
・AAAのハイエンドタイトルのための組織が今のコジプロ
・ゲームと映画の製作は似ていて、投資とリスク管理のバランスが肝心
・大作映画の商業主義で作家性が損なわれるケースもある
--ソニーと組んだわけ
・シンプルで横やりが入らない。作家性と商業の両立という意味でも望ましい関係
・PSの市場と僕の作家性との相性もよかった
・僕らのことを理解してくれることが最も大きい
--コナミとの関係
・最後まで作りたいものを作らせてくれたコナミには感謝している
・ただ今の若い人は全体の開発に関わることが難しくなってきていて、自分で作れなくなっている
--縦割りで生産性も上がるが
・ハリウッド映画でもそうだが外注利用で量産する部分もある
・ただ生産性にこだわればクリエイターが育たない弊害も出る
・僕が入社した頃は5人のチームで何でもやる経験ができた
技術革新とクリエイター
・ファミコンを遊んで映画のようなゲームの未来を想像したが、思ったより早く実現した
・ただ若い人には巨大になったゲーム業界は全体を俯瞰することが難しく可哀そうだ
--作品の権利は会社に帰属すべきか
・著作権は作者に帰属するべきだが、いまはリスクを負った組織が持っている
・これからはネット利用などで配信できる作者個人が権利を持つ時代になるかもしれない
・また2次創作についてもゲームのユーザー改変が容易になれば著作権は複雑になるだろう
http://toyokeizai.net/articles/-/184404
インタビュー後編が後日公開との事で新作「DEATH STRANDING」の話はほぼありません。
コナミには黎明期の良かった時期を振り返り感謝するオトナな対応をされています。
また「52歳で残りの時間が少ない」と自嘲しながらも、クリエイターの表現方法の広がりを見込むなど野心的な一面も覗かせています。
「AKIRA」(大友克洋 2019年の東京が舞台)より早いとする新作の発売が待ち遠しい。
僕が愛したMEME(ミーム)たち いま必要なのは、人にエネルギーを与える物語(ミーム) (ダ・ヴィンチブックス)
小島秀夫 (著)
2013-02-28
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