岩田社長とドワンゴ川上会長の対談が面白い

川上氏の4gamer連載最後の対談に岩田社長が登場。
http://www.4gamer.net/games/999/G999905/20141226033/

イベントなどでも密接な2社の間柄からか岩田氏の姿勢も垣間見える素晴らしい対談。
WiiUや今後のハード展開についても考えが明かされています。


スマートフォンでの展開はありえない
ハード事業の継続も示唆

私たちは，逆に「コンテンツを売りたいからプラットフォームを作ってる」んですよ。考え方がまったく違うんです。だから，そんな私たちからすると，世の中でコンテンツの価値がなくなる，低くなるというのが最悪の未来なわけです。

略

ゲームの価値をどうやったら維持できるのかってことを考えています。まぁ，それがね。私たちがやり方を変えていない大きな理由なんですけど。

他社との競争はしない
山内前任天堂社長「ウチはケンカしたら弱いんや」

　あの強そうな人（※山内氏）がですよ！　眼光鋭く，「うちはケンカしたら弱いんや」って言うんです。それはね，力の勝負をするなってことなんです。「力の勝負は愚かだ」と。「ビジネスの世界は，人と競争したらあかんのや」と。「人と競争しないところで，独自の価値のあるものを作りなさい」っていうことを伝えるために，それを面白く，山内さん流に表現したのが，「うちはケンカしたら弱いんや」ってことになるんだと思いますが。

略

　みんなが一斉にワーってある方向に向いているとき，その先ってどうなるんだろうってよく思うんです。まぁ，単に私がへそ曲がりなだけかもしれませんけどね。

WiiUの悔しさは「次」につなげる
GBAでスリープ機能を実現できなかった悔しさをDSで実装したことから

2年くらい前でしたかね。「Wii U」の発売直後に，川上さんからいろいろご指摘頂いたときに，やっぱり，とても悔しい思いをしまして。いろいろな部分で「次こそ絶対」と思ったんですけど。

川上氏：
　あ，すいません。いろいろと無神経なことを言ってしまったかもしれません。

岩田氏：
　いえいえ。でも，だからまぁ，この悔しさをね。絶対に「次」につなげたいし，つなげられるように頑張っているんです。

端々に岩田社長の性質と任天堂の独自性への重視が浮き彫りになる興味深い対談です。
今後もハード事業は継続し、WiiUの次を見据えた発言も。
さらにスペックで戦わない変化球ハードは続ける模様。

私にはゲームが隙間産業だった時代の山内イズムでもあるように思う。
他社のゲームが氾濫する環境で独自性の維持も相対的にハードルが高まっている。

病で痩せてしまった岩田社長に過度な期待を迫るのも酷ですが、やはり任天堂の元気がないとゲーム産業も面白くない。